仲間のチカラ

9月21日(土),22日(日)は

鈴鹿サーキットで開催されました

「鈴鹿サンデーロードレース第4戦」ST600Rクラスに参戦してきました。

 

ゼッケンは34

チームは平成レーシング&Rise&美吉金属&STAR CLUB

 

前回の鈴鹿4時間耐久レースから2ヶ月が過ぎていますが

今回の鈴鹿サンデーは雪辱戦のつもりで挑む心算でした。

週末の天気予報は雨で,開催以前から「今回は最低入賞,初めて表彰台を意識して戦おう」と決めていました。

 

にも関わらず,前週のスポーツ走行で,情けない転倒を喫してしまい,開催日までは連日パーツの手配と修理に追われるという非常にみっともない1週間を過ごしました。

 

なんとか車両を走れる形にして臨んだ9月20日(金)のスポーツ走行では,ドライ路面でいいフィーリングの中走行することができ,しっかりまとめていけば55秒台は入るな〜という感覚を持ったまま終了。

ウィークに入った9月21日(土)は終日中途半端な天気になることが予想されたので,走行を断念しました。

 

そして本番の9月22日(日)

今回はいくつかの課題を持って挑んだレースです。

予選では先頭で走行し,早い周回でラップタイムを出し,3列目(10番以内)の順位で予選を終えること。

決勝では必ず入賞し,展開如何によっては表彰台を獲得すること。

 

10時30分〜 ST600Rクラス予選

予選は初めて20分前に整列し,先頭をキープ。ADFのライダーの方サムライさんが横に来てくれたので,これは張り合わなきゃウソだな〜なんて思い颯爽と予選開始。

アタックラップに入るつもりが,コースインする他のライダーを上手くパスすることができず,課題の2周目はベストタイムの1秒落ちの57秒台・・・

情けなくて泣きのもう1周のつもりでアタックするもタイムは伸びず。この時点で13位くらいだったかと思います。

焦る気持ちを抑えて一旦ピットイン。

タイムは出ていないけれど,クリアが取れれば今日はタイムが出る気がすると何の根拠もない自信がありました。

心の整理をして残り5分で再びコースイン。アタック可能周回は最大4周。

いい感じでクリアラップができそうな感じ,しかも目前には先日55秒台を出した井上さんの姿が見えました。

しっかりついていくつもりで走行し最終ラップになんとか自己ベストの55.679。

予選順位は5位を獲得することができました。

ただ,相変わらずくるくる回らないとタイムが出ないのはダメでした。あくまでも結果オーライ。

気持ちを切り替えて決勝への準備をします。

 

15時40分〜決勝

雨なら絶対勝つつもりで,気持ちを作っていましたが,天気は予報とは裏腹に微妙な感じ。

ただ,中途半端な天気で,荒れれば荒れるほどチャンスは広がると思っていました。

ハーフウェットならドライタイヤ。とことん降らない限りレインは使わない。

チーム内でも迷いはありませんでした。

昨年のNGK杯で安パイな判断が一番いい結果を導かないことを学び,6月のFUN&RUN参戦でどこまでならウェット路面の中でもドライタイヤで走れるかを知りました。そして4耐久を超えてタイヤ交換も3分〜5分あれば絶対できる自信もありました。

最終的に当初の予定通りドライタイヤをチョイス。これが今回は前向きな結果に繋がりました。

 

レースが始まりオープニングラップ。

今回はホールショットを狙っていましたが力み過ぎて久しぶりにスタートミスしてしまいました。

初めて5位以上の人たちとの戦い。

いくらリバイバルクラスとはいえレベルが高い。誰も譲ってくれないし,隙あらば車体をねじ込んでくる。

これは強気でいかなきゃダメだなと思い,冷静に走行しました。

ただ縦の速度だけは恐らくどの車両よりも速いだろうと思っていたので,10周のレースで前は5台。1周1台抜いてもお釣りが返ってくる。とにかく焦らずに食らいつく。前のライダーは全員片岡よりも圧倒的に力は上なので,胸を借りるつもりで走行しました。

なんとか1台ずつパスしていき,3位浮上。

前の2台とは少し距離はありましたが,ストレート,1コーナー進入でグッと追いつく。

これはいけるぞ!!仮説が確信に変わりました。

4周目の頭には2位の岸本選手をパス。

あとはトップの前迫くんだけ・・・

今まで絶対力の及ばなかった相手だけに緊張感は高まりました。それと同時に,速いライダー達と自分も戦えてるという喜びを感じることができました。

プラットホームを見ると,仲間が「行け!!」と応援してくれている。これはいくしかないだろう!!毎周毎周仲間達に力をもらいながらの走行でした。

8周目の1コーナー進入でついに前迫くんをパス!!自分が1番。視界が一気に開けた感じがしました。

ただ,9周目に入る頃にはその気持ちいい感覚も全くなくなりました。バックマーカーです。

普段の練習走行とは違うバックマーカーの処理。

これは全くの未経験の技術がいる。片岡にはその引き出しはない。のんびりしていたら絶対前迫くんは抜きにくる。

緊張感が一気に高まりました。

ただ,残り2周。絶対譲りたくない一心で一台ずつなんとかパスしていきました。

最終コーナーを駆け下りてきて,チェッカーが見えました。

ゴールラインを超えて,プラットホームを見るとみんなの喜んでくれている顔!!

いろんな条件が全て片岡に味方して勝てたレース。

地力で勝ったレースではないですが,ここまで本当に沢山の仲間達に迷惑をかけて,何とか続けてきたレース。

やっと少し恩返しができた。もうウイニングランはみんなの顔が頭に浮かんできて,本当に幸せな時間でした。

ピットレーンに入ると入賞した車両は特別な場所に案内されます。

今回片岡は運良く「1」と書かれたボードの前に車両を置くことが許されました。

その後ろには沢山の仲間が本当に嬉しそうな顔で片岡を迎えてくれます。

この瞬間はほんとにレースしてて,一生懸命やって,生きててよかった。

大げさじゃなくて本当にそう思える一瞬でした。

 

今回のレース参戦にあたり,先ほども書きましたが1週間前に転倒するというあほんだらなことをしたにも関わらず,ここまでたどり着けたのは沢山の人たちの力がありました。

時間のない中,何とかウィークを戦うために集まってくれた 高光,飯嶋さん,希ちゃん,田中くん

他所のチームに呼ばれながら,逐一気にして顔を出してくれた 拓也

時間のない中すぐさま部品の発注や準備をしてくださった Motorcycle pro-shop Riseの荻田社長。

ライバルにも関わらず,部品の手配や沢山アドバイスをくれた 前迫選手

夜遅くまで作業をするための場所を提供してくださる 美吉金属の吉村社長

僕の心配事や悩み相談を一生懸命聞いてくださった 極魂レーシング代表 ハマさん

直前までセットなど貴重なアドバイスをくださった M様

細かいライディングアドバイスなどの指導をしてくださった Transmap Racing 大石さん

ライバルチームなのにいつも可愛がってくださる ADFの皆様

1週間前から勝利予告をし,実際に現場に駆けつけてくださった 吉川さん

もう正直名前を挙げだすとキリがないくらい沢山の人たちに僕は迷惑や心配をかけ,本当に可愛がっていただいています。

その中の誰か一人でも欠けていれば,今回の結果はありませんでした。

それは今回,レースを戦わせていただいたライバルの皆様も同様です。

僕は僕自身が感じているこの幸せさや,感謝の気持ちをなんとか伝えたくてクソ不器用なりに一生懸命走ってきましたが,ようやくほんの少しだけ皆さんに恩返しができたことが今回1番嬉しかったです。

 

ただ,ありがたいことに今回のレースを通して,更に多くの反省点や課題が生まれました。

正直僕一人では何も解決することができません。

僕は僕みたいな大馬鹿野郎を支えてくれている仲間達が「アイツたまたま勝っただけやん」とか言われるのは絶対嫌なので,まだまだ速くならなければなりません。

その為にも,これからも変わらず,関わってくださる全ての皆様には沢山勉強させていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

 

special thanks

今回から僕たちのチームの写真を沢山撮ってくれることになった 野崎くん かっこいい写真ありがとうね

 

.p.s 先週の転倒の影響か,僕のオンボード撮影用のgoproくんの調子がバカみたいに悪く,せっかくの初優勝レースのオンボードが撮影できていませんでした。いつも楽しみにしてくださっている数少ない皆様申し訳ございません。僕も超悲しいです。

 

平成レーシング 代表

片岡 亮太

 

RK
  • RK