再始動

ご無沙汰しております。

今年は更新率あげるぞと息巻いてシーズンインしたのに,怪我もあり今年はあっという間にシーズンオフになってしまいました。

退院後は「まず身体を治すこと。」を目標にリハビリに励んできました。

普通の骨折ならばもう既に結合してくれてもいい頃ですが,

完全に移殖した骨ってなかなかひっつかないみたいで

骨盤からローテションした足の指も,

足の指からローテーションした指も,

5ヶ月経ってようやくうっすら引っ付いてきたかな・・・??程度みたいです。

細かい作業や,手袋の類の物を装着するときはものすごく不自由しますが,

それ以外はだんだんハンデのある手と生活していくことも慣れました。

次回の4月頃の手術に向けてもっと満足に動くように近づけられるように頑張ろうと思います。

 

さて,前段が長引きましたが,本題に入ります。

最近,僕の指の手術をしてくださった医大の先生から

「最終的にまだ(バイクに)乗る気なら,ぼちぼち乗ってみて。それでどれだけ動くようになるかみてみたい。」

と許可をいただいたので,ぼちぼちバイクにも乗り出しています。

 

ロマンチストっぽくて馬鹿馬鹿しいかもしれませんが

大怪我はしましたが,神様はまだ僕に復帰するチャンスをくれました。

本当にもう乗るべきでなければきっともっともっと大怪我をしていただろうと思います。

きっと僕は自分で思う第一線から退いている間にまだまだ学ぶことがあるんだろう。

それを学ぶために神様が時間をくれたんだろう。

自分で書いていても馬鹿っぽいですが,僕はそう思います。

 

僕が復帰するまでにすべきこと。

ひとつは「楽しむ,ワクワクするために必死で取り組むこと。」

怪我の直前まで僕は「楽しむ,ワクワクする」ことを疎かにしていました。

振り返ると,それを伝えてくださっていた先輩や,仲間もいましたが,

僕自身の未熟さが,それを正しく認識させませんでした。

この5ヶ月,「なんでバイクに乗っていたのか。」「なんでレースをしたかったのか。」「なんで速くなりたかったのか。」「なんでチームを作ったのか。」

いっぱい考えました。

馬鹿みたいに焦って怪我して既にだいぶカッコ悪いので,カッコつける気もさらさらありませんが,

僕はケビンシュワンツ選手の日本GPの勇姿を観て,「すごいカッコいい」と思って,

加藤さん,貴彦さんの4耐を観て「あんなふうに走れるってどんな世界なんだろう。」って思って,

親父と親父のチームメイトの姿を見て,「仲間ってすげぇ。」って思って,

大学院まで教師の勉強してる中で「バイク,モータースポーツって絶対教育的にすごい可能性がある。」って思って,

僕もカッコよく,観てくれる全ての人をワクワクさせて,速く走って,みんなとめちゃくちゃ一生懸命レースして,めちゃくちゃ感動とかして,みんなじいちゃん,ばあちゃんになったときに「あの時のレースではさぁ・・・」なんて話がしたくて,自分のチームからレース業界も,社会も変えてしまうような人材を育てて送り出したくて,モータースポーツの世界に挑戦したことを改めて思い出しました。

もう一回,僕のベースになることをちゃんと大切にして,もう一度挑戦しようと思います。

 

ひとつは「バイクともっとちゃんと向き合うこと。バイクを知ること。」

今までも一生懸命バイクのことを知れるように取り組んできたつもりでしたが,全然わかっていませんでした。

怪我をして,もう一度バイクって何か,ちゃんと勉強しようと思っています。

プロのメカニックの方からお話を聞くたびに,

本気で作ったバイクは本当に大袈裟じゃなくてボルト一本から魂込めて作ってるんだなぁ。と感動します。

また,その姿も僕の目にはすごくカッコよく写ります。

同時に,僕がいかにバイクのことをわかっていないかもすごく痛感します。

嬉しいことに,今の平成レーシングは僕だけではなく何人も一生懸命バイクに乗って,一生懸命戦ってくれるライダーが増えてきました。

チームの代表として,僕は僕と同じ轍を仲間に踏ませたくありません。

まだまだ,僕は何にもわかってなくて,教えてもらったことを「あーでもない。こーでもない。」って四苦八苦しながら取り組んでいますが,それでも僕が教えてもらった全てのことを,今の僕がかけられる全ての情熱を仲間にも,仲間のバイクにも注いでいるつもりです。

たかがミニバイクという人もたくさんいると思いますが,少しずつ整備を覚えて,セッティングを覚えて,みんなの走行をあっちこっちから観て,少しずつみんなでバイクを作って,少しずつバイクが速くなったり,みんながタイムアップしたり,目標に近づいたり,乗りやすくなったとか,怖くなくなった。とかコメントもらえると,本当に嬉しいし,一生懸命考えてよかったな。と思います。

これを,自分自身にも向けて,次はライダーとしてもバイクの声をたくさん聞いて,どうして乗って欲しいのか。僕の何がダメなのか。バイクともたくさんたくさん会話してみたいと思っています。

 

思っているより,復帰までに時間はかかりそうですが,

まずは身体を一番に考えながら,まず,またバイクに乗れる幸せを噛み締めて練習します。

僕が復帰できる頃には,今まで一緒に走っていたライバルのみんなはもっともっと速くなっていると思います。

そんなみんなともう一度一緒に走りたい。

みんなと周りの人たちがワクワクするような,アツくて,カッコいいレースをしたい。

もうそれも夢物語かもしれませんが,その先の夢もまだ諦められません。

 

僕自身の節目のつもりの作文にお付き合いいただきましてありがとうございました。

 

平成レーシング 片岡亮太

 

 

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